アルペンクラブK2行動指針

私たちの使命と基盤

私たちの使命は、高難度の登頂を目的とすることではなく、初心者を含むすべてのメンバーが安全に登山を楽しみ、グループ活動を通じて豊かな人生を築く機会を提供することです。 そのために、私たちは安全登山の技術と経験を「継承」し、メンバー全員が「相互に高め合う」コミュニティであり続けます。

この使命を達成するための揺るぎない基盤「公平な運営」「コミュニティの透明性」です。この基盤を維持・発展させることが、現メンバー全員の責務です。

第1章:公平性と透明性の維持(運営の原則)

私たちは、クラブの健全な運営を守るため、以下の行動を徹底します。

  1. 「個人山行の絶対禁止」の率先垂範
    • 目的の深い理解: このルールが、単なる安全確保(クラブの目が届く)のためだけでなく、特定のメンバー間だけで活動が閉じてしまう「派閥」の形成を防ぎ、全メンバーの「疎外感」をなくすための「公平性維持」の根幹であることを深く理解します。
    • 厳格な順守: メンバー間の個人的な登山活動(=個人山行)は行いません。すべての登山は、クラブの公式「企画山行」として全メンバーにオープンにします。
  2. 企画のオープン化と多様性の確保
    • 内向きな企画の防止: 企画立案時、無意識に「いつものメンバー」や特定のレベルのメンバーだけで固まらないよう、常に意識します。
    • 参加機会の均等化: 初心者向け、中級者向け、トレーニング、座学など、多様なレベルや目的の企画をバランス良く立案・実施し、すべてのメンバーが平等に参加・成長できる機会を提供します。
  3. 情報の平等かつ積極的な共有
    • 情報の偏在防止: 山行報告、安全情報、運営に関する議論など、クラブ内の情報を一部のメンバーだけで抱え込まず、グループライン等で全メンバーに等しく、迅速に共有します。

第2章:企画山行の実施(安全と継承の実践)

企画山行は、私たちの理念である「安全・継承・相互研鑽」を実践する最も重要な場です。現メンバーは、企画山行の全プロセスを通じて、その役割を積極的に果たします。

1. 山行前の入念な準備(安全の土台)

安全な山行は、徹底した事前準備によって成り立ちます。

  • 参加者の状況把握: 参加メンバーの経験、体力、技術、当日の体調を正確に把握します。
  • 無理のない計画: 計画は、最も体力や経験に配慮が必要なメンバーを基準とし、余裕を持ったルート、ペース、エスケープルートを設定します。
  • 「安全基地」の意識: 経験者は、初心者を安全に導き、精神的な拠り所となる「安全基地」として機能することをあらかじめ確認します。

2. 山行中の役割と行動(安全と継承の実践)

山行中は、経験者が率先して安全確保と技術継承の責務を担います。

  • 積極的な観察と声かけ: 常に全体の状況を把握し、メンバーの表情や歩き方から体調不良や不安の兆候を察知し、積極的に声をかけます。
  • 「問い」を歓迎する姿勢: 初心者からの「なぜこのルートを選ぶのですか?」「なぜ今休憩するのですか?」といった素朴な疑問を歓迎します。
  • 判断根拠の言語化(継承): 「問い」に対し、「あちらは近道だが滑落リスクがあるため、安全なこちらのルートを選ぶ」「この先の急登に備え、体力が落ちる前にここで行動食を摂る」など、判断の根拠を具体的に説明します。この言語化こそが、安全登山の技術と考え方を「継承」する核心的な行動です。

3. 山行後の振り返りと共有(未来への財産)

山行で得た経験をクラブ全体の財産とするため、振り返りを重視します。

  • 双方向のフィードバック: 山行後、新メンバーから「何が不安だったか」「何がわからなかったか」を具体的にヒアリングします。
  • 経験者の内省: 経験者も「あの場面での説明は適切だったか」「もっと安全に配慮できた点はなかったか」を自ら振り返ります。
  • クラブの財産とする共有: 山行中のヒヤリハットや学びを個人の経験に留めません。ライングループで具体的に共有し、クラブ全体の「安全基準」と「教育レベル」を向上させるための財産として蓄積します。

第3章:「貢献」と「好循環」の具体化

K2の活動は、個人の達成から、コミュニティへの「貢献」と、それによる「好循環」の創出へと深まっていきます。

  1. 「教える」から「共に学ぶ」姿勢へ
    • 自己のアップデート: 自分の経験や技術が絶対ではないことを認識します。新メンバーが持ち込む最新のギア、アプリ、情報(例:新しい地図アプリ、YAMAPやヤマレコの効果的な使い方)を「新しい視点」として歓迎し、積極的に学び、クラブの知識をアップデートします。
    • 「問い」への感謝: 新メンバーの「問い」は、経験者が自身の技術や知識を再構造化し、言語化する「最高の研鑽の機会」であると捉え、感謝の意を持って真摯に対応します。
  2. 感動の共有と再発見
    • 共感する姿勢: 自分が知っている景色であっても、初めてその絶景に目を輝かせるメンバーの「新鮮な感動」に共感し、初心を思い出す機会とします。この感動の共有こそが、クラブの活力を生み出します。
  3. 「貢献」の多様性
    • 技術指導以外の貢献: 誰もが「貢献」できることを示します。安全に仲間を導くこと、企画を立案すること、そして、新メンバーに積極的に声をかけ、不安を取り除くこと。これらすべてが、クラブを支える重要な「貢献」です。
  4. 「継承」の連鎖
    • 次世代へのバトン: 私たち現メンバーは、K2で学び、成長し、助けられた経験を、次の世代(新しいメンバー)に伝えていく責務を負っています。この「継承」の連鎖こそが、K2というコミュニティを未来へつなぐ鍵です。

私たちの誓い

私たちは、この「公平な運営」と「安全な企画山行」が支える「好循環」を維持・発展させる主体であることを自覚し、「共に学び、共に登り、共に成長し続ける」ことを誓います。